10月15日

 

 

窓口の隣の隣のおばさんのノートが、

業務が始まる前にちらっと見えた

 

 

そこに、そのノートのはしっこに

 

 

 

「魂を磨く」

 

 

 

 

と書いてあった。

 

 

 

 

60歳目前なのに、何を哲学乙女みたいなこと言ってんだろうと思うわけ。

 

 

でも、わかるの。

 

その人、物凄く若いの。

若く感じるの。

 

少女みたいなの。

 

だから、多分心のどこかでずっと

 

 

「あぁこの人魂磨いてるなぁ」

 

 

 

なんてことは、私だったらわかっていたはず。

 

 

 

だから、今日は見事それが確信に変わって、嬉しかったです。

 

 

 

 

 

そして、そういう日に限って、ダブルパンチを食らう人生。

 

 

 

おばさんはパートさんだから、私より早く帰るんだけど、帰り際そのおばさんが神妙な面持ちで私の前に止まってこう言った。

 

 

 

「…銀行の仕事は楽しいかい?」

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、見透かされてる、と思った。

 

 

一瞬で私の本心に触れたことに気がついたのだろう。

すかさず、

 

 

 

「そんなこと考えたこともないか!笑笑」

「いやー…ほら、色々溜まってさ、急に爆発しちゃうと良くないなぁって思って。何かお手伝いできることがあったら、いつでも言ってください。」

 

 

 

 

と、私の回答も聞かずに言葉を続けてくれた。

 

 

 

 

 

私はおばさんがそこを去ったあとも、精神的に黙りこくってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感受性の強い私だけれど、正直、働き始めてから1度も、仕事になんの感想も持ったことがなくて。何も楽しくない。なんとも思わない。ただ大変なだけ。ただ精神がすり減るだけ。

 

私は働く理由を「生きていくため。野垂れ死にしないため。お金を貯めるため。」と設定していたけど

 

 

 

 

 

それじゃだめだったんだ。

 

 

 

 

生きるためにお金を稼いでても、心が動いてなかったら私にとっては死とイコールなんだ。

 

 

 

 

 

働き始めて、社会に出て、やっと気づいた。

 

 

 

 

 

「やりたい仕事にチャレンジしなきゃ」

「自分が好きだと思う場所に飛び込まなきゃ」

「モチベーションが上がる場所に向かわなきゃ」

 

 

 

 

 

反面教師にして申し訳ないが、それに気づかせてくれた今の職場にはとても感謝している。私の人生においてもすごく大切な気づきだったと思う。

 

 

 

 

さて、どう生きていきましょう。

 

 

 

問題は山積み。空よりも高い。

 

 

 

ここ最近毎日思う。

私は本当に何も持っていなくて、本当に失うものが何もないんだ、と。

 

 

 

きっとなにも怖くないの。

 

 

 

泣くのやめよう。